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メディアと広告とマーケティングと。

「広告批評」天野祐吉氏、語る。

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■「マスメディア広告万能の時代は終わった」・休刊する「広告批評」の天野祐吉氏:IT-PLUS

うーん、やっぱり天野さんはわかってらっしゃるなあ。

以下抜粋。

「マスメディアの広告が“万能”の時代は終わったということですね」
「テレビ広告は視聴者が見たくなくても見せられちゃうところを暴力的と言っているわけです。すべてが暴力的だとは思わないけれど、テレビのCMは見ないではすまない。そのたびに消すわけにもいかない。暴力性を内包しているメディアと言ってもいいのかな。クリエーターは、面白くいい広告を作ることで暴力的であることを避けようとしています
「それに対してウェブ広告は、見ようという意思がなければ誰も見ない。向こうから押しかけてくるメディアではありませんからね。」

これはウェブ広告の本質であり、弱みでもあり、強さでもある。
またウェブ広告のクリエイティブはこのことが理解されていなければいいものはできない。
YouTube上の広告は必ずしもTVCMではないほうがいいかもしれない、と思うのも、確かに映像を使った広告が出せる媒体ではあるが、そのメディアプラットフォームの違いは天野さんの指摘ほどに大きいのだから。

「メディア状況の変化と同時に、消費社会の成熟度が行き着くところまでいったということもあります。創刊した当初は、マスメディアが発達して、大量生産、大量消費、大量流通という20世紀の巨大な歯車がぐわーと回り出した頃。今は巨大な歯車がどこか引っかかって止まり気味になっているわけでしょう。もう以前のようにがーがーと音をたてて大量消費が実現している時代ではないですよ」

これもまた非常に重要なこと。特にメディアのリーチという面で。
これについて以前に書いたこちらのエントリーを参考に。

「今は物を買い揃えることが豊かな時代じゃなくて、物を買わないことが豊かさへの道だという逆説が出てくるような時代ですからね。」
「そうなってくると、別に広告はいらないと言えばいらない。新しい商品が出ましたよ、というニュースとしてのマス広告は必要かもしれませんが、それ以上の、商品の性能に関する情報はなくてもいい。ウェブが発達したことで、それまでは情報過剰社会ではなく情報過少だったということが分かったんじゃないですかね」
広告は基本的に商品についての『インフォメーション』と、その商品の仕様や性能を説明する『リポート』、企業の考え方や姿勢を伝える『オピニオン』という3つの情報で構成されています。このなかのリポートという部分はほとんどいらなくなっていくんじゃないですか。広告でどんなことを言っても、ウェブを見たら消費者にはよく分かっちゃう」
「ただ、オピニオンについてはウェブでは分からないですね。もちろんウェブで探っていけば分かるかもしれないけれど、その会社がみんなに対してどういう姿勢で何を言いたがっているかという、一種のあいさつ機能かな。そこはマスメディア広告が一番強いところではないですかね
「そう考えると、従来の常識からは何の意味があるのかと言われるものが、これからの広告になるのかもしれないですね」
「最近、『詳しいことはwebでどうぞ』というCMがよくあるでしょう。あれはマス広告の正体を自分でうまく暴露していますね(笑)。『詳しいことはあちらでどうぞ、私たちは企業としてのごあいさつをしているだけです』というふうになっているわけです

TVCMが死んでいくのではなく、それぞれのメディアの使われ方が時代の要請や、メディアのgeographyによって変化していくということが真実。あるメディアがあるメディアを駆逐するのはあくまでも、その二つのメディアが同じ価値を提供するときだ。そして、どちらかのメディアが優位な価値を持つとき、それが生き残る。しかし実際には、各メディアはそれぞれの新しい価値を生み出され残っていくことも多い。その昔、マスメディアだったラジオが、テレビによって駆逐されず、今も生き残っているように。

「ただ、この感情的というか、冗長的なつながりというのも、人間社会では大事なことでね。同時代を生きている企業として、市民になんだかいやな会社だなと思わせるか、いいなと思わせるか。人間はよい悪いということだけで物事を判断していなくて、好き嫌いということで判断している。性能のよい悪いはウェブでしっかり探せば分かるかもしれないけれど、好き嫌いはウェブを見ていても分からないわけです」
「僕が見ているところでは、ほとんどのウェブ広告はインフォメーションですよね。表現性は全然問題にならないレベルだと思います。今のところクリエイティブな広告情報はほとんどないでしょう」
「だから、クリエイティブの要素がゼロではないけれど、グーグルやヤフーを潤わせている広告の大半はクリエイティブではないインフォメーションに過ぎないということです。消費者が『面白おかしい物売り芸なんかいらない』『必要な情報が欲しいんだよ』と思う時代になってきているんですね」
「ウェブ広告ですごい広告なんていうのは、僕は見ていないですね。第一、インターネットをやっていない人にはそんなの分からないよね」
「お父さんが犬だっていう(ソフトバンクの)広告を知らない人はなかなかいないでしょう。だけどインターネットでこんなことをしていると言ったって、知らない人はいっぱいいますからね。そういう意味で、ウェブ広告のすごい例というのはまだないんじゃないでしょうか」

一昔前のウェブ広告はクリエイティビティでの勝負が確かにあった。しかし残念ながら、最近はウェブ広告の価値を単にROI価値の高いメディア、として見られる傾向が多い。実際にはウェブは人との距離が近いからこそ、できる表現、できる態度変容があるのだが。

「僕にその気はないですけど、世の中に若くて優秀な人はいっぱいいるから、ウェブ時代の広告批評がどういうものかを考えて、面白いことをやってくれる人が出てくれば、僕らがやってきたことも無駄じゃなかったなあと思いますね」
「だから今度はウェブ広告を中心にした批評雑誌が出てきてもおかしくないし、もし出てくるとしたら、僕らは多少はそのための地ならしができたのかなという満足感があります」

うーん、世の中には、『日経ネットマーケティング』のようなネットマーケティング全般雑誌はあるし、『Webdesiging』や『Web Strategy』のようなどちらかというとWebクリエイターよりの雑誌はあるが、確かに、広告に特化した雑誌はないし。

成立するかな。Web-zine的に何人かでやってみるならできるかも。