mediologic

メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

「ウェブセンタリングマーケティング」への違和感

■インターネット業界ニュース集: ウェブセンタリングマーケティング

この業界にいると、いろんな「新語」を耳にすると共に、しらない間に耳にしなくなった言葉も数多く。

そして、最近耳にするのが「ウェブを中心においたマーケティング:ウェブセンタリングマーケティング」という言葉。

僕はそもそも、何かのメディアを中心においたり周辺においたりする考え方が大嫌いだ。

どんだけメディアを並べたところで、それはコンシューマの購買行動にフィットしてるとは限らないし。

しかも「ウェブセンタリングマーケティング」なんていってる人は、ネット広告業界側に勤めている人で、ネットを(言葉どおり)中心にもってきたい人か、あるいは、マス広告をこれまで扱ってきた人で、わかった顔で「これからはウェブだし、連動しないとダメだ」とか言ってる人が多いもんだ。

いや、ウェブを中心におく、という考え方が悪いといってるわけではない。

僕がいいたいのは、ウェブが中心だろうが、周縁だろうが、テレビが中心だろうが、周縁だろうが、それぞれのメディアがどの位置にあるか、なんてのは定式化されるもんでもない。また、それらは個々のマーケティング課題によって変わるもんだし、やっぱし、消費者の購買行動から仮説を作って、コミュニケーションプランを立てて、どのようにメディアを使うか、の順番でかんがえるべきだ。なのでいつも「ウェブが中心」であるはずではない。

はっきし言っておこう。
僕は皆さんのおかげで、ネット広告業界で色々な賞もいただいたし、それなりのポジションをいただいたわけだが、いちども「ウェブが中心」のプランなんてものは考えたことはない。

考えてきたのは、「どのようなコミュニケーションプランであれば、企業と生活者のいい関係作りができるか?」ということ。そして、これこそが広告のビジネスドメインである。

なので、“新語”に引きづられるべきではない。
それは発想・創造力を貧困にする。

ウェブは“中心”にあろうが、なかろうが、僕らの発想を豊かにしてくれるパワフルなメディア/インフラ/しくみ、なのだから、わざわざ“中心”という狭い場所に閉じ込めなくてもいいじゃないか。


(追記) ふと思ったんだけど、「ネットが中心」っていう人って、ネットから遅れてる人が多いんではなかろうか。あるいは、「マスメディア」に憧れているネットビジネス人か。で、きっとどちらのタイプの人も本質的に「ネット的」な人ではない(「ネット的」という話についてはおいおい。。。)