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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

マーケティング・コンセプト

「ファン」が先か、「お客さん」が先か

David Meerman Scott が来年1月に新刊を準備中らしい。 Fanocracy: Turning Fans into Customers and Customers into Fans (English Edition) 作者: David Meerman Scott,Reiko Scott 出版社/メーカー: Portfolio 発売日: 2020/01/07 メディア: Kindle版 こ…

“ペルソナ”と“ターゲット”の違い

匿名質問箱 Peing で、ペルソナとターゲティングの違いに関する質問が来てたので答えてみました。 ↓ ペルソナとターゲティングの最大の違いは次のように説明できると思います。 前者は必ずしも実在しなくてもよく、また「個人(像)」となりますが、後者は実…

これから先、ROI よりももっと重要なことがあるかも〜ROI/ROMIからROC/ROAの時代へ

マーケティングや事業開発の話の中で「価値」の話になると、えてして「新しい価値をお客さんに提供したい」とかいう話になりますが、新しいかどうかはお客さんには関係ないということを理解するのも大事。 「新しさ」が価値だと思ってしまうのは、提供者側視…

LINEモバイルのCMが「タレントCM」の鏡で、そして動画広告の未来につながりそうだと思うわけ。

海外と比べて日本はタレントCMが多すぎるとはよく言われる話で、また海外ではそもそも有名な映画やドラマの俳優は、特定のブランドの色が付きすぎるとか商品を推奨することになるのでCMに出るのを嫌がると言われます。だから日本でのみCMに出てたりするんで…

マーケティングや広告業界で「新しい言葉」が出てきたときの「態度」

マーケティングや広告の業界は、毎年毎年新しいキーワードが出現していて、業界関係者を踊らせる。しかしこれらの「新しい言葉」について、どのように接するかというのはある種の「態度」として重要だと思う。 例えば、「バズマーケティング Buzz Marketing …

AmazonのカスタマーQ&Aの機能の裏側は、色々な企業が今後参考にすべき内容だった。

Twitterを中心に、AmazonのカスタマーQ&Aが話題です。 話題の理由は、商品を買おうとしてレビュー欄そばにあるカスタマーQ&Aコーナーを見ると、「わかりません」だとか「意味不明」な回答が多い理由が判明したから。 togetter.com このカスタマーQ&A、誰が答…

コトラー大先生の新著『Marketing 4.0』を速攻読んでみた。

コトラー先生の新しい本、その名も『Marketing 4.0』が出た。 Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital 作者: Philip Kotler,Hermawan Kartajaya,Iwan Setiawan 出版社/メーカー: Wiley 発売日: 2016/11/17 メディア: Kindle版 この商品を含むブ…

「インサイト」って何? それは「潜在的ニーズ」の話でもなく、単なる「消費者理解」の話だけでもなく。

Facebook上のとある壁で、「インサイトと潜在的ニーズって何が違うの?」という一言ではじまった議論が盛り上がっている。 そこでは色んな人が色んな私的定義を書いているが、それぞれに色んな意見があって面白いなと思う反面、なぜそのような事が起きている…

コカ・コーラパーク終了。オウンドメディアのパイオニアの失敗について。

コカ・コーラパークが終了です。 でも、なぜか業界のブログでも、業界のニュースでも、業界関係者のソーシャルメディア投稿でも話題になってるのを見かけませんが。 コカ・コーラ パーク Coca-Cola Park | お知らせ 企業によるプラットフォーム戦略だ!、とか…

デジタルマーケティングは偉いのか?

この数年、デジタルマーケティング領域のセミナーや、その領域について書かれたブログやソーシャルメディアの投稿を相当量見てきた。 しかしここしばらく、そういう話や文章を長く見てきた結果なのかどうかわからないが、少なくともデジタルマーケティングの…

「デジタルマーケティング」とは何か? 「デジタル」は「マーケティング」をどのように変えるのか?

寄稿文の紹介です。 一橋大学国際企業戦略研究科の藤川先生と共同執筆で、一橋ビジネスレビューにて『デジタルマーケティング』というテーマで文章を寄せています。 一橋ビジネスレビュー 2016 Autumn(64巻2号) [雑誌] 作者: 一橋大学イノベーション研究セン…

「データマーケティング」という言葉が嫌いだ

僕は「データマーケティング」という言葉が嫌いだ。 嫌いな理由を上げると、 1)そもそもマーケティングに「データ」を使うのは当然だろ? もちろん「データマーケティング」という言葉が今もてはやされるのは、デジタルマーケティングの普及、そしてその背…

「メディアのせいにしない」という広告出稿プランのマインド

[大事なことだから言う] 広告出稿の際に、「効果のある媒体」うんぬん、という話が出て、効果のない媒体を切っていく、、、ということが普通に今のネット広告業界などでやられている。これは「枠から人へ」という過度なオーディエンスターゲティングが背景…

『Viewability が普及するとネット広告の価値はどう変わるのか?についての短文』についての追記

昨日投稿した、 『Viewability が普及するとネット広告の価値はどう変わるのか?についての短文』 について、何が何だかわからない、ということのために以下を記しておきたいと思います。 1)そもそも" impressions "ってなんだったのか問題 あまり知られて…

Viewability が普及するとネット広告の価値はどう変わるのか?についての短文

これ、大事なことだから今後もなんども言うぞ。 IABがリーダーシップをとって進めていたviewabilty. まずはこの動画をご覧になってない方はこちらをどうぞ。 そして今度はついにGoogle AdWordsもViewability導入となった。 Googleが広告指標に「ビューアブル…

日本の「コンテンツマーケティング」ブームに思うこと

なんとなく業界市民権を得てきた「コンテンツマーケティング」。 「コンテンツマーケティングマーケティングEXPO」なんていう、流れに乗っかったイベントなんかもやられているけれども、行ってみたら「うちはコンテンツ何本を月いくらいくらで作りますよ!」…

知らぬ間に歌舞伎町のホスト業界がインバウンドマーケティング化していた。

※上記スクリーンショットは、「ネオホスxSNAP」より どうも仕事柄、何を見てもマーケティングや広告、事業開発の話として見てしまう癖があるらしい。。。 たまたま YouTube を見ていて、歌舞伎町のホスト業界が、「ネオホス」という新しいタイプのホスト形態…

SEOのその先+これが本当のコンテンツマーケティング。Web Presence Optimization という考え方について

おそらくこういう話も皆さん知りたいと思うので、デジタルマーケティングの様々なコンセプト・手法についても追々ここに書いていきたいと思います。 さて、今回は通称「WPO」とも呼ばれる、Web Presence Optimization という考え方について、です。 このWPO…

Self-educating buyersという言葉を聞いたことはありますでしょうか?

おはようございます。 Self-educating buyersという言葉を聞いたことはありますでしょうか? 米国のマーケティングエージェンシーのファンダーであるTom Martinが、「今の時代はお客さんを教育し、説得する時代ではなく、お客さん側が購買前に自らを教育し、…

“インバウンドマーケティング”を“売る”時代は終わっている。

インバウンドマーケティングやHubSpotというものを売ってきた自分だからこそ、今このタイミングで言いたいことを書いてみます。 また、シンフォニーマーケティングの庭山さんにもありがたい薫陶を受けたのですが、日本語化されていないHubSpotのようなSaaS型…

競争は価格だけで起こっているのではない。消費者が買うのは「商品」では、ない。

セブン-イレブンが、コーヒーに続き、ドーナツ市場に参入して以降、他のコンビニ各社も追随するように同様の動きをしている。この流れに対して大きな痛手を受けるのが大手である「ミスタードーナツ」ではないかと思われている。実際、コンビニ各社の商品は”…

Media Extensionという言葉の真意を正しく言うなら、Media Juggling と名づけたい

テレビ&スマホ 2画面視聴時代、マーケッターはマインドセットを改めよ - ライブドアニュース. I still feel weird the new jargon, "Media Extension," coined by Hakuhodo. I totally agree that users are not consuming one single media in their infor…

人々がつながるためのマーケティング〜Tribal Marketing 再考

"tribe"とは、血縁地縁などでつながる「部族」のことを指す言葉だったけれでも、今から10年ぐらい前に、いわゆるデモグラフィックなターゲットセグメントからの脱却として、ある趣味、興味関心で集まる人々の集まりを表す言葉としてマーケティングの世界に使…

engagement と bonding と。それは「キズナ」と簡単に訳せない。

6/24にファインドスター広告ニュース主催で開かれた対談の資料を手直ししてこちらに置いておきました。 僕自身は池田紀行君がキズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代 (アスキー新書) という本を書いて以来、彼には、 ・en…

オープンネットワークと広告の未来

■THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2008(コンカン2008) 本日(というかもう昨日)、こちらのカンファレンスにてパネルディスカッションに参加してきました。 メンバーは上記のリンクの通りで、Joi Ito のモデレーションも素晴らしく、非常に刺激的なセッション…

コンテンツ化する広告へ

老舗広告代理店、BBDOの中で新たな動きが。 ■BBDO Appoints Content Director (Adweek.com) NYのBBDOが、exective director of content として、映画プロデューサーを招聘。Brian DiLorenzo がその人。 これはきっと、プロダクトプレイスメントとかブランデ…

渡辺聡・情報化社会の航海図インタビュー

■渡辺聡・情報化社会の航海図 ~ウェブ化とメディアの現在:タカヒロノリヒコ氏インタビュー -過去のエントリでお聞きしたいものがありますので、軸にしつつでお願いします。まず、「injection / influence」であるように、インタラクションをキー概念として…

injection / influence

この一年ぐらい、インタラクティブメディアとレガシーメディア(テレビ/新聞/ラジオ/雑誌)との使い方の違いを説明するときに、 【 exposure 】のメディア = マスメディア 【 experience 】のメディア = インタラクティブメディア という話をしてきた。…