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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

まじめ

サイバーエージェントが従来型広告代理店を抜いたのは時価総額だけではないかもしれない 〜 デジタルクリエイティブ業界の断絶と継承への無念と期待

サイバーエージェントが時価総額で電通を抜いた、ってニュースが話題でしたね。 www.nikkei.com この事実がコロナ禍だけでの一時的な出来事なのか、それともずっと続くものなのか、それは現時点で語るだけの充分な思考に行き着いていない。 そもそもサイバー…

「広告が嫌われる”本当”の理由」という文章を読んで、違和感があったので、「”本当”の理由」を書いておく。

次の文章を読みました。 japan.cnet.com この問題提起。これについては非常に重要なことだと思う。 一方で、「本当の理由」とタイトルにある割には本質的な部分が全然的を得てないところがあり、またご認識も見られる文章だと思う。 そこで以下を書いておき…

いいペルソナ、悪いペルソナ〜高広流ペルソナの作り方

「ペルソナ」とか「カスタマージャーニー」とか。 Googleで検索をすると色んな会社や人が「効果的な作り方」などのHow-Toコンテンツを公開してますよね。 で、みなさん参照していらっしゃると思います。 やり方は人それぞれでしょう。 例えばこうこうこうい…

新聞のデジタル版の有料化が本当にうまく行ってないという話をほうぼうで聞いて思うこと

日本の新聞社はサブスクの言葉が甘言に聞こえて、有料購読モデルに切り替えようと頑張ってるが、実際はPVの劇的低下による広告収入の激減と、想像以上に有料会員が集まらないことへの苦戦、及びその獲得のための広告コスト増加にハマってしまっている。 そし…

“ペルソナ”と“ターゲット”の違い

匿名質問箱 Peing で、ペルソナとターゲティングの違いに関する質問が来てたので答えてみました。 ↓ ペルソナとターゲティングの最大の違いは次のように説明できると思います。 前者は必ずしも実在しなくてもよく、また「個人(像)」となりますが、後者は実…

愛こそすべて 〜 セールスにおいてもカスタマーサクセスにおいても、プロダクト開発においても。

All You Need Is Love - 1s Preview 自分が何かのツールやプロダクトを推奨したり、販売したりするときに、 「それは高広さんがそれに関わってるからでしょ?」 と言われて、そこにはバイアスがあると思われてしまうことがある。 でも自分の場合は、自らが「…

これから先、ROI よりももっと重要なことがあるかも〜ROI/ROMIからROC/ROAの時代へ

マーケティングや事業開発の話の中で「価値」の話になると、えてして「新しい価値をお客さんに提供したい」とかいう話になりますが、新しいかどうかはお客さんには関係ないということを理解するのも大事。 「新しさ」が価値だと思ってしまうのは、提供者側視…

”パクリ”問題は「キュレーションメディア」だけの問題ではない。世界最大の動画共有サイトで起きてる問題。

昨年、CampaignAsiaにキュレーションメディア問題などについて寄稿をしましたが、実は”パクリ”問題がもっとも横行していると感じているプラットフォームがあります。そしてその現場のプラットフォーム提供者が対策を講じてないか、あるいは対策が遅れている…

マーケティングや広告業界で「新しい言葉」が出てきたときの「態度」

マーケティングや広告の業界は、毎年毎年新しいキーワードが出現していて、業界関係者を踊らせる。しかしこれらの「新しい言葉」について、どのように接するかというのはある種の「態度」として重要だと思う。 例えば、「バズマーケティング Buzz Marketing …

ネット広告から「記事広告」を無くして、「スポンサードコンテンツ」にしたほうがいいと思う理由。

多少、誤解を恐れず過激とも思えるタイトル付けをしたので、「記事広告」を売られている媒体社の方々にお怒りを買うかもしれないけれども、そういう方々にも敢えて一度最後まで読んでいただきたいと思う。 昨日、谷口マサト、ヨッピーという広告絡みのバズる…

大手広告代理店は「代理業」とは別の業務があったよね。あれこそが他に取って代わられることのない部分だった気が。

今日は朝から某代理店時代の昔の仲間(戦友)が仕事の相談に弊社オフィスを訪れていて、1時間半ぐらい、本筋の仕事の話とその周辺の話で盛り上がった。 とりわけ、「今の某代理店が、昔の某代理店ではなくなった」ということについて、なぜそうなってしまっ…

IoT時代も控え、あらゆる”モノ”が”サービス化”する時代に対応するには、オンラインソフトウェア業界から学ぶべきだろう。

Synapseのオンラインサロンに投稿したものから。 オンラインサービスや、あるいは今後製造業も向かうべきサービスロジックやサービスドミナントロジック的視点においてもこの、先ごろSalesforceに買収されたDemandwareのCEOインタビューは重要な示唆がある。…

「違う」とばかり言ってると得をしないと思うんだ。B2BマーケティングとB2Cマーケティングの確執。

本日、日本マイクロソフトの友廣さんによるB2Bマーケティングに関するコラムがスタートしたようですね。 B2Bマーケティングはこれから話題になると数年前に宣伝会議さんには伝えてましたが、当時はあまり理解されませんでしたが、アドタイでこれらの連載が…

『デジタル時代のマーケティング戦略 | 企業に広がるインバウンドマーケティング 〜“顧客を邪魔しない”新しいマーケティングのあり方』

少し前の話になりますが、日立さんのオウンドメディア " Exective Foresight Online ” にて「インバウンドマーケティング」に関するインタビューがあり、三回に分けて掲載をされておりますので紹介しておきます。 『デジタル時代のマーケティング戦略 | 企業…

マーケティングという「圧力」

一部では知られた若手社会学者の西田亮介(東京工大所属)が、新たな本を出すようです。 タイトルは『マーケティング化する民主主義』ということになってますが、実際には「マーケティング」の本ではなく、政治とメディアと民主主義の内容です。 マーケティ…

「学ぶ機会」を増やし「話す機会」を増やすだけでは、後進に貢献できないと考えたので。

久しぶりのブログ更新です。 本日、2016年2月19日金曜日15時、受験していました大学院の合格発表があり、そして合格者8名の中に入ることが出来ました。 この4月から一期生を迎える大学院、京都大学大学院経営管理教育部博士後期課程、がそれです。 昨年の夏…

『Viewability が普及するとネット広告の価値はどう変わるのか?についての短文』についての追記

昨日投稿した、 『Viewability が普及するとネット広告の価値はどう変わるのか?についての短文』 について、何が何だかわからない、ということのために以下を記しておきたいと思います。 1)そもそも" impressions "ってなんだったのか問題 あまり知られて…

Viewability が普及するとネット広告の価値はどう変わるのか?についての短文

これ、大事なことだから今後もなんども言うぞ。 IABがリーダーシップをとって進めていたviewabilty. まずはこの動画をご覧になってない方はこちらをどうぞ。 そして今度はついにGoogle AdWordsもViewability導入となった。 Googleが広告指標に「ビューアブル…

facebookのプロフィール写真をいじる流行が来るたびに思うこと〜ソーシャルメディア時代の「世間」って何かな?

facebookのプロフィール写真を、フランス国旗のフィルターをかけたものに変更したのをよく見かける。 そしてそれをまた非難したり、拒否反応したり、意見表明するようなブログ記事やfacebookの投稿もこれまたよく見かける。 facebookのプロフィール写真をフ…

クラウドソーシングがステマをサポートする場になってはいけないですね。

これはダメでしょう・・・。 堂々と、Amazonのkindleで売られている電子書籍のレビューを書いてくれという依頼がランサーズにてあった模様です。 ※上記画像の全体のキャプチャはこちら 作業内容の欄には、 【内容】 無料のキンドル電子書籍のカスタマーレビ…

「おまいらの大勝利!」となった”五輪エンブレム問題”とネットと世論について、思ったことをメモっておこう。

ついにこの方向に動きましたか。。。 東京五輪エンブレム 使用中止の方針固める(NHK) 佐野氏デザインの五輪エンブレム使用中止へ 組織委が方針固める(Yahoo!ニュース/スポニチアネックス) 実際のところ、今回の五輪エンブレムが「パクリ」なのか「似てしま…

ネット広告業界は買い手側の力が強すぎることで、業界全体が伸びない、特に日本は。

今の日本のネット広告業界は、Buy側の意向に偏りすぎていて、買い叩かれるマーケットになっている。これをSell側のパワーを取り戻すことで適正価格で売買される状態にしなければならない。 「枠から人へ」という言葉は、広告を買う側の言葉となってしまって…

海外に出て活躍することが、本当に日本人がグローバルに活躍するということなのだろうか?

グローバルで活躍する日本人マーケターを育成しよう!というスローガンほど、ガラパゴスなものはない。そう2−3年前から思い始めていた。 すでに日本は世界と接続しているし、見えてないだけかもしれないが、すでに活躍している日本人は多くいる。 上記のよう…

YouTubeとテレビの効果を比較する意味。っていうか、YouTubeの価値は大手広告主よりも地方や中小企業にあるんじゃないか?って話。

■国内のマーケターが「YouTubeマーケティング」にいま取り組むべき理由 タイトルが某ブロガーの影響受けてんじゃないかとか、この「**を取り組むべき理由」というタイトルが薄い内容のブログ記事の間でデフォルト化してるよなあ、とかそういうのはさておき…

B2Bスタートアップはセクシーか?

Why B2B Startups Are Suddenly So Sexy | Inc.com. 上記は、Inc.com よりの記事。 B2Bのスタートアップが、B2Cのスタートアップよりも急に魅力的に思える瞬間があるという。 HubSpotの創業者であるBrian Halliganは、以前VCのメンバーだった時の話として、B…

マーケティングが変化する時代に理解しておくべきこと。”Marketing Management 14e" より。

以下、KotlerとKellrの "Marketing Management 14e"の引用をメモ代わりに。 "Firms now sell goods and services through a variety of direct and indirect channels. Mass advertising is not nearly as effective as it was, so marketers are exploring …

SEOmozから"SEO"が取れました。〜インバウンドマーケティング/コンテンツマーケティングの潮流

SEO、いやオンラインマーケティング業界では知らなかったらモグリの、SEO情報サイトから始まった"SEOmoz"が、"SEO"の部分を取り、"moz"というサイト&サービスになりました。 [caption id="attachment_2618" align="aligncenter" width="300"] ”SEOmoz”から”…

原子レベルのコンテンツマーケティング〜教育・研究機関のマーケティング

これはまた凄いものが出てきたものだ。 IBM Research の科学者たちが、世界最小のアニメーションを公開。しかもその映像の”ピクセル”になったのは原子。つまり、原子レベルのアニメーションコンテンツを作ったということだ。 参考)原子を使った「世界最小の…

インバウンドマーケティング狂騒曲

書こうかどうしようか迷ったけれどもやはり書くことにする。 新しい言葉が出てきてそこに新しいマーケットが生まれつつあるとき、二種類のタイプの人がそこに存在するように思う。 ひとつは、その言葉によるビジネスそのものを推進しようとする人たち、もう…

”売る”ためのマーケティング。機会”を作るためのマーケティング。

"Say it with flowers" これは、FTD(Florists's Transworld Delivery)が1917年に使ったコピーである。 FTDは花屋同士を結びつけ、花のデリバリーサービス(実際には地元の花屋で申し込みをし、送り先の近隣の花屋で組んでもらう)を行なっている事業体だ。日…