mediologic

メディアと広告とマーケティングと。

80年代の社会学の名著『Art Worlds』の日本語版が出ていた。そしてこれはマーケティング研究や経営戦略論の先端研究につながる本なのである。

長いタイトルになってしまった。しかしタイトルにあることがここで書いたことのまとめである。

正直、この本の日本語訳が出たことは驚きだ。

なぜなら最初の版が出たのが1984年、実に40年以上前だから。 

Art Worlds

Art Worlds

 
アート・ワールド

アート・ワールド

 

ベッカーは、”ラベリング理論”によって日本でも知られたシカゴ学派社会学者であり、都市社会学・職業社会学のフィールドにおいて超一級の研究者であることは異論の余地がないと思う。

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AmazonのカスタマーQ&Aの機能の裏側は、色々な企業が今後参考にすべき内容だった。

Twitterを中心に、AmazonのカスタマーQ&Aが話題です。

話題の理由は、商品を買おうとしてレビュー欄そばにあるカスタマーQ&Aコーナーを見ると、「わかりません」だとか「意味不明」な回答が多い理由が判明したから。

togetter.com

このカスタマーQ&A、誰が答えてるのかずっと不思議だった。

レビューと同じく、ちゃんと使ってない人やわかってない人でも応えられる仕組みなんだろうなあと思っていたら、過去の履歴に基づき、過去に同商品を購入した人に対して、他のお客さんからこういう質問が来ています、という連絡が来る仕組みになってるのだという。

もちろんイチユーザーとしては、わけわからない回答があったら「?」となってしまうが、この仕組み、凄くないか?

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コトラー大先生の新著『Marketing 4.0』を速攻読んでみた。

コトラー先生の新しい本、その名も『Marketing 4.0』が出た。 

Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital

Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital

 

 

近代マーケティングの祖であるフィリップ・コトラー先生は、いまから6年前に「マーケティング3.0」という考えを世に出し、これからは「人間 human」を中心にしたマーケティングを行うべきだ!と主張。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 
Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit

Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit

 

 

そして遂にその次となる”Marketing 4.0” のタイトルの本が出たので、早速 kindle 版を購入、速攻ざっと読んでみた。

 

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ネット広告から「記事広告」を無くして、「スポンサードコンテンツ」にしたほうがいいと思う理由。

多少、誤解を恐れず過激とも思えるタイトル付けをしたので、「記事広告」を売られている媒体社の方々にお怒りを買うかもしれないけれども、そういう方々にも敢えて一度最後まで読んでいただきたいと思う。

昨日、谷口マサト、ヨッピーという広告絡みのバズるコンテンツ制作二強と話をしててふと気づいたのは、「記事広告」という概念をネット広告の世界から無くしてしまったほうがいいんじゃないか?ということだ。これはいくつかの側面で、悪い慣習とメディア事業上の不幸を招いてるように思え、先々考えると良くない。

「記事(体)広告」と呼ばれるものは人によっても、媒体によってもちょっとずつ違うニュアンスになることがあるが、まとめてみると以下のようなもの。

・通常の広告と違って記事の体裁をとって商品の紹介がなされた広告。

もともと「記事(体)広告」は、新聞や雑誌などでごくごく普通に実施されてきた広告の一形態であり、通常の編集記事との違いを明確にするために「広告」や「PR」という言葉が枠外に明確に記入されていた(ネットにおいてもこのような”ディスクロージャー”については進んできているのは、非常に健全になってきていると思う)。

制作については、媒体社側が準備した記事(体)広告の制作チームが作ることもあれば、記事風の広告を制作して代理店が納品することもある。ただ、日本では前者のほうが多いように思うけれども。

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「インサイト」って何? それは「潜在的ニーズ」の話でもなく、単なる「消費者理解」の話だけでもなく。

Facebook上のとある壁で、「インサイト潜在的ニーズって何が違うの?」という一言ではじまった議論が盛り上がっている。 そこでは色んな人が色んな私的な定義を書かれているが、それぞれに色んな意見があって面白いなと思う反面、なぜそのような事が起きているのかを考えた。もちろん日本語化しにくい言葉であるという側面もあるだろうが、マーケティングコミュニケーションの文脈で話をしているのに、単に(一般的な insight の訳語としての)「洞察力のこと」なんて言ってしまうと「アホか」とも思うので、ちょっとまとめておく。で、恐らく「インサイト」に対する混乱は次のようなものだ。
  1. そもそもマーケティングコミュニケーション領域における「インサイト」の定義や発生についてみんな知らないし、調べてない。
  2. 潜在的ニーズ」というのは実はどうも「和製英語」であって、これがコトをややこしくしている(*これについては別の機会に書く)
というわけで、以下に説明をしておく。